ターゲット




「亜香音~どうした?」


紗英が近寄ってきた。
吉野さんをチラ、とみて「…話しかけても、無視されるの。」と静かに呟く。


「あの、吉野さん?」



紗英は話しかける。
でも、私と同じような態度で完全なる無視。



…私も負けじと「教科書を取りたいから…その、少しどいてくれないかな?」。



…無視。


紗英も、「あのー…吉野さん?」。



…相変わらず、なにか探している。



「なにか探しているの?」


私は問うと、コクリとうなづいた吉野さん。


「えっなに、聞こえてんじゃん!」