私、楠木麗は今
この学校の支配者とも呼ばれる
イケメン冷血生徒会長との距離
わずか10cm.....!!



「お前....」
「はっはい....」

薄々だけど噂は聞いていた。
この学校の生徒会長は
この学校の支配者で
どの生徒にも基本冷たく
低能だと判断した生徒には怒鳴りつけ
自分の思い通りの学校にしている。

と。

恐らくこの空気。圧力。
すぐに会長だとわかった。


「今すぐ家に帰れ。」

え.....??

「あの、今日は入学式....」
「そうだ。だからお前みたいな奴が
いたら迷惑になる帰れ」

なんで...?私がちょっとふらついて
教室までも行けなかったから?

「わた...私!帰りません!」


私のその言葉で会長は
鋭く睨んできた。
でも、何か負けられない!


「私は今日この高校に入学するのに
来たんです!どうして帰らなきゃ
行けないんですか?」
「もういい。」
「え?.....ひゃあ!!」

お姫様抱っこ?!?!


「ちょっ....おろしてください....!」
「黙っていろ。」



会長が向かった先は.......ん?


「保健室....?」

会長は優しくベッドに私を
寝かせて氷枕を作ってくれた。


「あの、会長.....」
「...........」
「か、か、会長...!」
「お前。」
「はい。」

会長...???


「何で新入生のお前が俺が生徒会長
だってわかるわけ?」

え?だってそれは、
こんな冷めたオーラの人
噂通りの生徒会長に決まってるし。


「ほ〜...?」

?!?!?!?!?!

「あの私、もしかして、」
「ああ、声に出てた。」


ああああああああああ。
やっちまった。
もう見捨てられる低能な生徒候補....

なんて、考える余裕もなかった。
苦しい。体がだるい。顔が熱い。


「スー...スー...スー...」

私は寝てしまっていた。
起きたときはどうして保健室で
寝ているか、誰か水枕を
作ってくれたか、なんて
覚えていなかった。



この出会いが私の高校生活を
大きくかえるなんて
私は考えていなかった。