「先生。
時間が掛かるかもしれないけど……。
待っててくれますか……?」

「はい……もちろんです」


今の私にはオリンピックなんて夢のまた夢だ。
だけど。
もしそんな日が来たら。
先生は喜んでくれるだろうか?
あの優しい笑顔で私だけの為に笑ってくれるかな。


「一緒に頑張りましょう。
僕が精一杯サポートしますよ」

「……お願いします!」


ねえ先生。
私ね、本当は悔しかったんだ。

泳げない事が。
溺れてしまった現実が。

でも先生が私に夢を与えてくれたから。
私はもう1度、泳ぐ決意が出来たんだよ。
いつか一緒に夢を叶えましょう。

そして、恩返しをさせて下さい。

私の命も、水泳人生も。
先生が救ってくれたから。

今度は私が先生の為に何かしたい。