一瞬だけ希望が見えた。
でもすぐにそれは壊される。


「使って欲しいのならそれなりの事をして貰わなきゃな」


三井先生は慣れた様に私の水着を半分だけ脱がした。
露わになった胸が私の頭を混乱させた。


「やっ……やめてください!
三井先生……!!」


叫んだ私を無視する様に三井先生は行為を続ける。


「……んっ……」


抵抗しても大人の男の人に敵う訳がない。
だったらこのまま目を瞑って時間が経つのを待てば試合に出られるのではないか。

私は水泳が好きで……何よりも大切で……。


『ってか真希がいれば全国も夢じゃないよね!!』

『“夢”?
違う違う!叶えようよ!
皆でさ!!』


皆で頑張ってきて。


『そうだね!目指せ全国!!』

『だから約束して……。
絶対に……全国に行って!!
私を……連れてって!!』


仲間との約束もある。
自分たちの夢もある。

だから私が我慢をすれば全てが丸く収まる。
この何分かを目を瞑って待てば何もかもが解決する。
でも……。


「いやぁぁぁ!!」


こんな事で約束を果たしたって、夢を叶えたって。
何の意味もない。
一瞬でも汚い事を考えた自分が嫌で、情けなくて。
私は泣き叫んだ。