夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「でもこのメダルは受け取れません」

「……」


そう言って私に金メダルを突き返してくる先生。
こうなると思った。
そう思いながら心でタメ息を吐く。


「じゃあこうしましょう!」

「え?」

「先生にお願いがあるんです。
それと引き換えって事で!」

「お願いくらい、無償でききます」


頑なに首を縦に振らない先生。
もう、頑固なんだから。


「まあ、聞くだけ聞いて下さいって!」

「……はい、聞くだけなら」


渋々と頷く先生に心で笑みを浮かべる。


「ちょっと待ってくださいね」


ガサゴソと自分の鞄を漁りある物を取り出して後ろ手で持つ。
先生は不思議そうに私を見ていたけれど特に気にしていない様だった。


「じゃあ、言いますね。
その前にちょっと余談を……」

「は……はい」

「今回のオリンピックで優勝した事によって……。
私と先生の新しい夢は叶いました。
これから私は大学に行って中学の時の水泳部員たちと全国制覇という長年の夢を叶えます」

「それじゃあ……!!」

「はい、皆……大学で水泳部に入るって……」


私の言葉に先生は何度も何度も頷いてくれた。
先生が女子部員たちを、三井先生を、説得をしてくれたから。
私たちの止まっていた時間が再び動いたんだ。


「よかった……本当に……良かったです……」


自分の事の様に涙を流しながら喜んでくれる先生。
先生はいつも私の事を守って来てくれた。
遠く離れていてもずっと私を見ていてくれた。
でもそれだけじゃ私は足りないんだ。