夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「そう……だったんですか……」


先生に高岡くんとの事を話せば今にも泣きそうになっていた。
でも泣くまいと必死に堪える先生が愛おしくて彼の手を力いっぱいに握りしめた。


「はい。高岡くんのお蔭で私は今先生の横に座っていられるんです」

「……感謝……しなきゃですね」

「……はい」


先生の言葉にしっかりと頷いて私は前を見た。

沈みかけた夕日。
少しだけ暗くなってきた空。

色んな色が交じり合った世界を見ながら呟いた。


「……私は沢山の人に支えられてきました」

「……」

「高岡くん、原田選手、水泳部の皆。
赤星くんに平井くん、三井先生や荒城中学の元女子水泳部員、友達、両親。
そして……先生……」


これだけ沢山の人に私は守られてきた。
時には優しく、時には厳しく。
ぶつかった事も何度だってあったけれど今となってはそれもいい思い出で。
私にとって皆は大切な宝物だ。


「私の人生に誰1人、欠けちゃいけないんです」


そう言って私は鞄からある物を取り出した。
辛うじて残っていた夕日が私の手の中にあるものに光をあててくれる。
よりいっそうに輝くそれは1番綺麗な色のメダルだった。


「これはオリンピックのメダルです」

「あっ……」


そのメダルを躊躇なく先生の首へとかける。
戸惑う先生は私を見つめていたけどそのメダルは先生によく似合っていた。
まるでそこが定位置かの様に。


「これは先生にあげます」

「何を言って!!」


驚く先生を見ながら私は柔らかく笑みを浮かべた。


「このメダルは私だけの力で取った物じゃない。
さっき言った皆のお蔭でとれたメダルです」


皆が居なかったら私はあのオリンピックの舞台へと立つことは出来なかった。
臆病で泣き虫で、どうしようもない私を皆が一生懸命に支えててくれたから私はココまでこれたんだ。