「もう、ビックリしたじゃないですか」


水から上がり子供たちと高瀬さんに向かって言う。
子供たちは『えへへ』と笑っていたけれど、高瀬さんに至っては顔を真っ赤にしながら固まっていた。
そんな高瀬さんを子供たちは不思議そうに見ている。


「どうしたの？お姉ちゃん？」

「な、何でもないよ！！」


慌てる彼女が可愛くて僕はクスクスと笑い出す。
高瀬さんは僕を軽く睨んでいたけれどすぐにいつもの笑顔へと戻っていた。


「お姉ちゃん！あおい先生！泳ごうよ！！」


子供たちに手を引っ張られながら高瀬さんと僕は顔を見合わせて頷いた。


「うん！」

「はい」


子供たちと、高瀬さんと、僕。

皆でハシャぎながら楽しく泳いだ。

子供たちの笑顔も可愛らしかったけれど。

やっぱり僕は高瀬さんの笑顔が1番好きだ。

教師失格だけど、本当に彼女の笑顔は眩しすぎて心が温かくなる。