「だって話があるって……」

「ああ!」


思い出した様に先生はポンッと手を叩いた。
忘れていたんだ。
先生ってちょっとヌケているかもしれない。
クスッと笑えば先生は首を傾げた。


「いえ!何でもないです。
それでお話とは……」


少し緊張しながら先生を見つめる。
すると先生の口がゆっくりと動いた。


「嘘です」

「……はい?」


嘘?え?何が嘘なの?
分からずに首を傾ければ先生はクスクスと笑っていた。


「面白い顔をしてますよ」

「え!?」

「ふふっ」


先生は楽しそうに紅茶を飲んでいる。
何でそんなに落ち着いているのだろうか。