夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

彼女の濡れた体が僕の服を濡らしていく。
でもそんなのお構いなしに高瀬さんを抱きしめた。

僕の胸に顔を埋めながら力強く抱きしめ返してくる彼女が愛おしくて。
会えなかった時間を埋める様に抱きしめ合う。

鼻腔をくすぐるのは高瀬さんの香り。
湿った髪が僕の頬を撫で、彼女の体温が僕の鼓動をおかしくさせる。
強く抱きしめたら壊れてしまいそうな華奢な身体。
優しく、でも想いを籠めて高瀬さんに触れる。

会いたかった。
ずっと、ずっと。

口に出そうと思ったけれど今はただキミの体温を感じて痛かった。
彼女も同じ気持ちなのか黙ったまま僕の腕の中で体を震わせていた。


「ちょ……ちょっと蒼井先生!?
どういう事ですか!?」


抱き合う僕たちを囲む様に沢山の人が集まってくる。


「あっ」

「あっ」


僕と高瀬さんの声が重なった。

僕たちはゆっくりとお互いの体を離す。

一瞬にして紅くなる高瀬さんの顔。
それは僕も同じだった。
再会が嬉しすぎて周りに人がいた事を忘れていた。

気まずさに苦笑いを浮かべていたら高瀬さんは僕の裾をぎゅっと掴んだ。
恥ずかしそうに俯く彼女。
その行動が可愛くてクスリと笑ってしまう。


「貴方は高瀬 真希ちゃんよね!?」

「何であの有名な……」

「何でこんな所にいるの!?」


高瀬さんに質問攻めをする先生や島の人たち。
彼女は戸惑いつつも顔を上げて笑顔を浮かべていた。


「はい、高瀬 真希です。
ココには……会いに来たからです」


彼女の言葉にトクンと胸が高鳴った。
でも、先に反応をしたのは僕ではなくて島の人だった。


「会いにって……じゃあ蒼井先生が貴方の……!!」


驚く皆さんをよそに僕は首を傾げた。
僕が高瀬さんの何だろうか?
よく分からずに考え込んでいれば高瀬さんは目を細めて頷いていた。


「……はい」


高瀬さんが頷いた瞬間に皆さんは大騒ぎしていた。
どうやら分かっていないのは僕だけの様だ。
だって、ココにいる子供から大人まで全員が嬉しそうに笑っているから。