夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「じゃあ今日はこれで終わります」

「サヨウナラ!」

「さようなら」


僕の声で小さな子供たちは一斉に騒ぎ出す。
この子達は今僕が受け持っている生徒。
みんな、可愛らしくて大好きだけど。
やっぱり僕の胸は苦しいんだ。

何処を探しても高瀬さんはココにはいない。

教室で友達とお喋りをする彼女も。
元気いっぱいに笑う彼女も。
楽しく泳ぎまわる彼女も。

もうどこにもいない。


「先生!今日は何するの!?」


考え込んでいれば小さな男の子が僕の足元に立っていた。


「そうですね……ビート版で泳ぐ練習をしましょうか」

「わーい!!」


嬉しかったのかバンザイをしながらそのまま教室を出て行ってしまう。
僕はこの学校でも水泳部の顧問をしていた。
水泳部と言っても6人しかいない。
皆はまだ泳げないけれど一生懸命泳ぐその姿は高瀬さんにそっくりだ。


一旦、職員室に戻り準備をしなければ。
そう思い教室を出て行く。


「ん?」


廊下に出れば生徒たちが先生たちと何やら騒いでいた。
通り過ぎる時に、『有名人』という言葉が聞こえ僕は口元を緩めた。

この島は観光客が少なく、お客さんが来ただけで、盛り上がる傾向があった。
今回もそれと同じだろう。

ホワホワとした空気の中、職員室へと歩き出す。