【「なんか恥ずかしいですね」】
クスクスと笑う彼女の笑顔は柔らかくて見惚れてしまうものだった。
前にテレビで見た冷たい瞳は消えていて、安心したけれど。
僕以外の人が高瀬さんを支えているのだと思うと心が苦しかった。
【いつもはココで練習をしているんですか?】
テレビ画面に映し出されたのは懐かしい光景だった。
大きなプールが何個もあって、水着を着た人たちが泳いでいる。
前までは僕もあそこにいた。
キミと一緒に。
【「はい。ここは私の学校のプールです。
ココにいる皆は水泳が大好きで、私もいい刺激を貰っています」】
そう言って映し出された生徒たちのほとんどは僕の知らない子たちだった。
それもそうだ。
だって高瀬さんたちの代が僕が最後に受け持った生徒たちで。
彼女たちが最上級生になった今、ほとんどの生徒は僕を知らない。
僕の居場所はもうあの学校にも、プールにもない。
改めてそれを感じる。
キリキリと痛む胸に追い打ちを掛ける様に見慣れた顔が目に映った。
【この方が真希さんの1番のライバルですか?
「はい、高岡くんは最強のライバルですね」
「まあ、泳法は違うけど、高瀬が1番のライバルだって事には変わりないです」】
高瀬さんと高岡くん。
2人のツーショットは最近よく目につく。
テレビで高瀬さんが取り上げられても、高岡くんが取り上げられても。
必ずと言っていいほどお互いが紹介される。
それだけ彼女たちは仲が良いという事だけど。
僕にとっては辛い。
ただでさえキミの傍にいられないのに。
高岡くんはずっとキミの傍にいる事が出来るから。
彼が羨ましくて、妬みたくなるけれど。
高瀬さんが笑っていてくれるならそれでもいいと思ってしまう。
「……蒼井先生!
テレビなんて見ていないで教室に行く!!」
プチンと音を立てながら暗くなる画面。
驚きながら振り向けばリモコンを片手に眉間にシワを寄せる校長先生が目に映った。
「わ、分かりました」
慌てて職員室を飛び出す。
後ろから『走らない!』という大きな声が聞こえたのでスピードを緩めた。
歩く度にギシギシと軋む廊下。
少し汚れた窓の外には青い空が浮かんでている。
何処かの教室から聞こえる騒ぎ声も。
ミンミンと煩く鳴くセミの鳴き声も。
どこか遠くに聞こえる。
今、無性にキミに会いたい。
クスクスと笑う彼女の笑顔は柔らかくて見惚れてしまうものだった。
前にテレビで見た冷たい瞳は消えていて、安心したけれど。
僕以外の人が高瀬さんを支えているのだと思うと心が苦しかった。
【いつもはココで練習をしているんですか?】
テレビ画面に映し出されたのは懐かしい光景だった。
大きなプールが何個もあって、水着を着た人たちが泳いでいる。
前までは僕もあそこにいた。
キミと一緒に。
【「はい。ここは私の学校のプールです。
ココにいる皆は水泳が大好きで、私もいい刺激を貰っています」】
そう言って映し出された生徒たちのほとんどは僕の知らない子たちだった。
それもそうだ。
だって高瀬さんたちの代が僕が最後に受け持った生徒たちで。
彼女たちが最上級生になった今、ほとんどの生徒は僕を知らない。
僕の居場所はもうあの学校にも、プールにもない。
改めてそれを感じる。
キリキリと痛む胸に追い打ちを掛ける様に見慣れた顔が目に映った。
【この方が真希さんの1番のライバルですか?
「はい、高岡くんは最強のライバルですね」
「まあ、泳法は違うけど、高瀬が1番のライバルだって事には変わりないです」】
高瀬さんと高岡くん。
2人のツーショットは最近よく目につく。
テレビで高瀬さんが取り上げられても、高岡くんが取り上げられても。
必ずと言っていいほどお互いが紹介される。
それだけ彼女たちは仲が良いという事だけど。
僕にとっては辛い。
ただでさえキミの傍にいられないのに。
高岡くんはずっとキミの傍にいる事が出来るから。
彼が羨ましくて、妬みたくなるけれど。
高瀬さんが笑っていてくれるならそれでもいいと思ってしまう。
「……蒼井先生!
テレビなんて見ていないで教室に行く!!」
プチンと音を立てながら暗くなる画面。
驚きながら振り向けばリモコンを片手に眉間にシワを寄せる校長先生が目に映った。
「わ、分かりました」
慌てて職員室を飛び出す。
後ろから『走らない!』という大きな声が聞こえたのでスピードを緩めた。
歩く度にギシギシと軋む廊下。
少し汚れた窓の外には青い空が浮かんでている。
何処かの教室から聞こえる騒ぎ声も。
ミンミンと煩く鳴くセミの鳴き声も。
どこか遠くに聞こえる。
今、無性にキミに会いたい。

