「私……やっぱり先生が好き」


自然に口から出た言葉。
それは私の本心で。
お母さんたちの前だったけれど慌てる事も隠す事もしなかった。
だって。


「……うん」

「この世でお前を1番幸せに出来るのは蒼井しかいないと思うぞ」


2人はそんな私の気持ちをとっくに知っていたんだもん。
もしかしたら私が自覚するよりもっと前から。


「先生が私を支えてきてくれた様に……。
今度は私が先生を支える……私の泳ぎで先生を幸せにする!!」

「頑張れ真希!」


力一杯に言い放てばお母さんが手を叩きながら応援してくれる。


「蒼井を幸せに出来るのも真希しかいない」


お父さんは頷きながら笑っている。

2人が応援をしてくれるから、見守ってくれているから。
私はいつだって前に進める。
どんなに道を間違えても、お父さんとお母さんは私を見捨てたりしないから、何度だってやり直すことが出来る。

私は沢山の人に支えれれて、励まされて生きているんだ。


「先生……待っててください。
私……頑張るから……先生に胸を張れるように……」


ぎゅっと瞑った目。
瞼の裏には先生の顔が浮かんできて。
私の背中を押してくれているような感じがした。