夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「っで、話って何?」

「何だ真希?改まって」


いつもご飯を食べるテーブルに3人で座る。
私の前だけに夕食が置かれていたけれど、箸を持つことなく両手を膝の上で握りしめた。


「あ、あのね……」

「うん」

「ああ」


お母さんもお父さんも真っ直ぐに私を見ていて。
もう逃げられない所まで来ていた。
今更何でもないと言う訳にもいかないし、ココは素直に言うしかない。
そう思い、深く深呼吸をして前を向いた。


「今まで……沢山心配を掛けて……ごめんなさい。
いつも傍にいてくれたのに……何も言わなくてごめん。
本当なら感謝しなきゃいけないのに迷惑しか掛けてなくてごめん!!」


沢山の“ごめんなさい”をお父さんとお母さんに伝えていく。
言葉だけじゃ足りないくらい、表せられないくらいだけど。
言葉に出さないと伝わらない想いもあるから。
だから……。
今言える想いを言葉に乗せて伝えよう。


「私……先生がいなくなってから本当に辛くて。
私のせいで水泳部の皆やクラスの皆から先生を奪ったのに泣き言なんか言っちゃいけないって思って……。
本当は辛いのに、苦しいのに、周りの人には『大丈夫』って作った笑顔を見せてた。
それはお母さんたちにも同じで……。
泳ぎにだって私の苦しさが表れていたのに……どうしても素直になれなかったの」


自分の中で溜め込んできた想いを少しずつ外に出していく。
お母さんも、お父さんも、黙ったまま私の話を聞いてくれた。


「でも、今のままじゃ……先生にも皆にも自分にも失礼だって……。
沢山の人に教えて貰った。私は1人なんかじゃない……。
いつもお父さんが、お母さんが、皆が……傍にいてくれた。
本当に……ありがとう……」


感情が高ぶって涙が出そうになったけれど、グッと堪えて笑顔を浮かべた。


「もう抜け殻みたいな自分は嫌なの。
これからはちゃんと前に進む、自分の泳ぎで皆と一緒に。
だから……もう1度、もう1度だけ私を信じて下さい!
私は……泳ぎたいっ!先生の為だけじゃなくて……自分の為に……!!」


言い切って頭を深く下げた。
言いたい事は纏まらなくてちゃんと伝わっていないないかもしれない。
だけどきっと伝わった。
だって家族だもん、私の大切な人たちだもん。