夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「それより真希!!アンタ何してるのよ!」

「そうよ!あんなの真希の泳ぎじゃないじゃない!!」


興奮した様に声を荒げる皆。
どうやら皆も選抜の私の泳ぎを見たらしい。
昔の私の泳ぎを知っている皆からしたら、今の私の泳ぎはあり得ないのだろう。


「それはその……」


苦笑いを浮かべていれば皆の口から出るはずもない人の名前が出された。


「そんなんじゃ蒼井先生だって哀しむわよ!!」

「ちょっと待って……何でみんなが先生を知っているの?」


私は先生の名前だって皆には言っていない。
それに接点だってないのに。
考えても分からずに皆を見れば複雑そうに顔を歪めた。


「蒼井先生が荒城高校に来たのよ。
アタシたちに会いに」

「へ!?何で!?
それに顔だって名前だって知らないはずなのに」

「なんか写真を見たとか言ってたよ、アンタの家で」

「私の家……?」


心当たりが1つだけあった。
先生が家に泊まりに来た時に私の部屋の写真を見ていた。
女子部員、全員で撮った写真を。
確かにその時、先生は何かを考えているようだったけれど。
まさかあの一瞬しか見ていないのに顔を覚えて会いに行ったというの?
考えられないけど、先生ならやりそうで、何も言えなかった。


「そう、それで頻繁に会いに来てくれるようになったの」

「……どうして……?」

「……アタシたちを水泳部に戻す為に」

「なっ……!?」


驚いた、そんな言葉では表せられないほど衝撃が走った。
先生は皆と知り合いでもないのに、どうしてそこまで一生懸命になれるのだろうか。
そんな事をしても先生にメリットなんてないはずなのに。
胸がぎゅっと締め付けられる感覚になる。
先生の優しさを知れば知るほど心が痛くなって何も考えられなくなって。
先生の事で頭がいっぱいになるんだ。


「アンタって本当に愛されてるわよね」

「え?」


レナはからかう様に私の頬を指で突っついて下品な笑みを浮かべた。