夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

どんな時だって私の傍には高岡くんがいて。
苦しい時も哀しい時も、2人で拳をぶつけ合って頑張ってきた。

大好きで、大切で。
これからもずっと傍にいて欲しいって。
隣にいる事が当たり前になっていたけれど。
当たり前何てこの世にはないって知った。


「好きだ……高瀬……。
お前を諦めるなんて……俺には無理なんだ……」


泣きそうな声も、震える体も。
私を大切に想ってくれているからだって今なら分かる。
高岡くんはずっと私を好きでいてくれたんだ。
先生の事ばかりで、周りが見えていなかった私をずっと見守っていてくれた。


「私……」


高岡くんの手を取れば、私も彼も幸せになれる。
私たちなら傷つけあう事も無く、これから先の人生を一緒に歩んでいける。

だけど……。


「私は……これからも泳ぐよ」

「どうして……。
もう泳がなくていいんだ!苦しまなくたっていいんだ!
……だから……」


密着していた体が少し離される。
両肩をガシリと掴まれ、揺れる瞳で見つめられた。

どうしていいかなんて分からない。
ずっとそう思っていた。

私はもう泳ぎたくなんかなくて。
校長先生との約束も辛くて。
それでも先生を守りたくて。
先生と少しでも繋がっていたくて“夢”を追い続けて。

色々な感情に振り回されて本当に大切な想いを忘れていた。


「私は……先生の夢を叶えたいの。
2人で一緒に金メダルを取りたい」

「金メダル……?」

「うん。教え子をオリンピック選手にする。
それが先生の夢だから」


先生と交わしたあの夢を。
純粋に叶えたい。

先生の為ではなくて。
私自身の為に。