夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「高岡……くん……」


倒れこむ私に駆け寄ってくる彼は、本当に哀しそうな顔をしていた。
今までどれだけ心配を掛けていたのだろう。
頭では分かっているつもりだったけれど本当はちっとも分かってなんかいなかった。
私は、結局自分の事しか見えていなかったんだ。
先生の事しか考える余裕がなくてずっと傍にいてくれた人たちに迷惑しかかけていなくて。
本当に自分勝手だ。


「私……私ね……」

「……ああ」

「本当は……もう泳ぎたくないの……」

「……うん」

「もう傷つきたくないの……」


先生がいなくなってから初めて出した弱音。
感情を押し殺してきたはずなのに自分で思っている以上にいっぱいいっぱいで。


「もう誰も苦しめたくないのに!!
私には……それすら出来なくて……!!
どうしていいか分からないのっ……」


言葉が詰まっても涙が溢れ出てきても。
構わずに自分の想いを曝け出した。
そんな私を高岡くんはずっと抱きしめてくれていた。

彼の打つ相槌も抱きしめてくれる体も。
私の心を優しく包み込んでくれて。

私は1人じゃないんだって。
我慢しなくていいんだって。

高岡くんの優しさが胸を貫いて涙が止まらなくなった。

もう出ないと思っていた。
もう感情なんて私にはないって思っていた。

だけど。


「もう大丈夫だから、今は泣いとけ」


彼の声は私の涙腺を簡単に崩壊した。
強く抱きしめられた体から彼の優しさが体越しに伝わってきて。
ただただ高岡くんの胸で泣き続けた。