連れてこられたのは休憩スペースだった。
自販機が数台とテーブルとイスが並べられている空間。
そんなに大きくはないが2人で使うには広すぎだ。
「真希ちゃん」
「……はい」
「何飲む?」
爽やかな笑みを浮かべながら私の方を振り向く原田選手。
「え?」
思わず声を出して驚いてしまった。
さっきの原田選手の雰囲気では、今にも怒り出しそうだったのに。
まさか飲み物を勧められるとは。
こういう所も先生に似ていて、2人で過ごした数学準備室の事が頭を横切る。
辛い時や、苦しんでいる時には相談に乗ってくれた。
何でもない時でも2人で過ごしたあの場所は私にとって大切な場所だ。
数学準備室に行けば必ず紅茶をご馳走してくれて。
その紅茶は優しい味がして、先生そのもだった。
「……紅茶……紅茶が飲みたいです」
「……OK!じゃあ俺も同じのにしよう」
原田選手は自販機で紅茶を2つ買った。
きっと彼も、先生の事を思い出しているんだろう。
だって原田選手の顔はいつもの爽やかな笑顔ではなくて、先生と同じ優しい笑顔だったから。
「はい」
「……ありがとうございます」
紅茶を受け取って両手で握りしめる。
熱いくらいの缶。
だけど心が冷め切っていた私には丁度良かった。
「……」
「……」
お互いに黙ったまま紅茶を飲む。
温かいけれど私が求めている味ではなかった。
先生が淹れてくれたあの優しい味の紅茶。
無性に飲みたくなって、只でさえ先生が恋しいのに、余計に会いたくなってしまう。
「……蒼井の紅茶の方が美味いな」
「……」
頷きそうになったけれど、奢って貰った手前、『はい』という訳にもいかなかった。
「ははっ、相変わらず優しいな真希ちゃんは」
そんな私の心を見透かしたように笑うと原田選手は目を細めて紅茶の缶を見つめた。
自販機が数台とテーブルとイスが並べられている空間。
そんなに大きくはないが2人で使うには広すぎだ。
「真希ちゃん」
「……はい」
「何飲む?」
爽やかな笑みを浮かべながら私の方を振り向く原田選手。
「え?」
思わず声を出して驚いてしまった。
さっきの原田選手の雰囲気では、今にも怒り出しそうだったのに。
まさか飲み物を勧められるとは。
こういう所も先生に似ていて、2人で過ごした数学準備室の事が頭を横切る。
辛い時や、苦しんでいる時には相談に乗ってくれた。
何でもない時でも2人で過ごしたあの場所は私にとって大切な場所だ。
数学準備室に行けば必ず紅茶をご馳走してくれて。
その紅茶は優しい味がして、先生そのもだった。
「……紅茶……紅茶が飲みたいです」
「……OK!じゃあ俺も同じのにしよう」
原田選手は自販機で紅茶を2つ買った。
きっと彼も、先生の事を思い出しているんだろう。
だって原田選手の顔はいつもの爽やかな笑顔ではなくて、先生と同じ優しい笑顔だったから。
「はい」
「……ありがとうございます」
紅茶を受け取って両手で握りしめる。
熱いくらいの缶。
だけど心が冷め切っていた私には丁度良かった。
「……」
「……」
お互いに黙ったまま紅茶を飲む。
温かいけれど私が求めている味ではなかった。
先生が淹れてくれたあの優しい味の紅茶。
無性に飲みたくなって、只でさえ先生が恋しいのに、余計に会いたくなってしまう。
「……蒼井の紅茶の方が美味いな」
「……」
頷きそうになったけれど、奢って貰った手前、『はい』という訳にもいかなかった。
「ははっ、相変わらず優しいな真希ちゃんは」
そんな私の心を見透かしたように笑うと原田選手は目を細めて紅茶の缶を見つめた。

