水泳なんて大嫌い、大嫌いだから。
もう苦しめないで。

泳ぎたくない。
泳がない。
泳げない。


「……泳ぎたいっ……」


泳ぎたい。
日に日にその想いは強くなっていく。
でも……。


『ほら……お前もその気になってきたか?』


あの忌まわしい過去がある限り私は前に進むことは出来ない。
私の時間はきっと動く事はない。
もう2度と。
強く瞑った目から一筋の涙が頬をつたった。