夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「悪かった。君を混乱させるような事を言っちまって」


申し訳なさそうに顔を歪める原田選手に慌てて首を横に振った。


「今は答えはハッキリとは出せないですけど……。
いつか必ず答えを出しますから。
だから待っていてくれませんか…?」


私の瞳にはもう涙は無かった。
真っ直ぐに原田選手を見つめればその唇は緩く孤を描いたんだ。


「勿論。
沢山悩んで決めてくれて構わない。
真希ちゃんの人生だ、悔いだけは残らない様にな」

「……はい!」


力強く頷けば原田選手はワシャワシャと私の頭を撫でた。


「じゃあこの話は終わりだ!」


原田選手が笑えば先生も高岡くんも笑顔を浮かべた。
もちろん私も。
でも原田選手の顔は一瞬だけ真顔になった気がした。
確認する暇もなく笑顔を浮かべ先生の方を振り返る。


「っと、少し喉が渇いたな。
蒼井、悪いがスポーツドリンクを買って来てくれ。
高岡くんも一緒に行って来てくれないか?
俺の奢りだ!好きなモノを買ってきくれて構わない」

「マジすか!ご馳走様です!!」


高岡くんは無邪気に笑っていたけれど先生は疑う様に原田選手を見ていた。
彼の言動に疑問を持ったのだろう。
それは私も同じだ。
だって原田選手は無理やり私と2人になろうとしている様な気がしたのだ。
そう思いつつも先生は高岡くんと一緒にプールを出て行く。
静まり返った空気に私も原田選手もお互いを見つめていた。