夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「高岡くんは来てくれるか!!
これからよろしくな!!」

「はい!!こっちこそよろしくお願いします!!」


楽しそうに笑い合う原田選手と高岡くん。
そんな2人が遠くに感じたんだ。
手を伸ばせば2人とも触れられる距離にいるのに。
私と彼達には深くて広い大きな溝がある様な気がした。


「高瀬さん?どうかしましたか?」


孤独を感じていた私の肩に誰かの手が触れた。
それだけなのに胸に感じた孤独は綺麗に無くなっていく。


「先生……いえ、別に何も!」


先生に心配を掛けたくなくて口角を引き上げるけれど。
黙ったまま私を見つめる先生には何もかもが見透かされている気がして私は笑うのを止めた。
楽しそうに話す高岡くんや原田選手に背を向けてプールの方へと歩いて行く。
そんな私の後を先生も黙ったまま着いて来てくれた。

プールサイドに座り足を水につけながらバタバタと動かす。
先生も同じ様に座ると視線だけを私に向けていた。


「私はこれからも水泳を続けていくつもりです」


プールの先を見ながらポツリと呟いた。

先生の夢を叶える為に。
どんな努力だって惜しまないつもりだ。
今の私にはまだまだそんな力はないかもしれないけれど、いつか夢が現実へと変わる様に。
だけど。


「さっき原田選手にスカウトされた時に何かが違ったんです。
本当なら嬉しいはずなのに。
胸の中がギュウって締め付けられてモヤモヤして。
自分でも分からないけど私は不安なんでしょうか?」


1度挫折を味わった事があるせいか私はその恐ろしさをよく知っている。
それを乗り越えてきたつもりではいたけれど。
本当は、まだ怖いのだろうか。
また泳げなくなる事が。
全てを失う事が。
私が小さく笑えば先生は急に立ち上がった。
そしてさっきまで着ていたはずの服を黙ったまま脱いでいく。


「せ、先生……?」


驚く私をよそに先生は服を脱ぎ続けていた。