「……別にいいけど」
「あ、ありがとう」
再び沈黙が走り気まずい空気が流れ始めた。
と言っても赤星くんは特に何も気にしていなさそうだ。
準備運動の続きをする彼に私はモヤモヤとしながら観客席を見上げた。
すると、関係者席のある部分で目が留まる。
「三井先生……」
目に映ったのは真剣な目つきでこっちを見下ろす三井先生だった。
一瞬だけピクリと肩が揺れたけど、それ以上は特に何も起こらなかった。
もう大丈夫だ。
だって前の私なら三井先生を見ただけで頭の中が真っ白になってパニックを起こしていたはずだ。
だから、完全に過去を乗り越えたという事だろう。
その事が嬉しくて思わず顔が緩んでしまうが直ぐに引き締めて軽く会釈をした。
それに三井先生は驚いた様に目を見開いていたが直ぐに顔を逸らしてしまう。
「ねえ」
「は、はい?」
いきなり隣から声が聞こえてきた。
振り向けば、赤星くんが三井先生の方を見ながら私に話しかけていた。
「アンタと三井先生って知り合いなの?」
「中学校の時のコーチだけど」
「ふーん」
赤星くんは興味なさそうに言うと視線をプールへと戻していた。
「……三井先生の指導はどう?」
「どうって?」
「えっと……分かりやすい?」
「アンタ教えて貰ってたんでしょ」
「そ、そうだけど……」
言葉を濁せば赤星くんは面倒臭そうに呟いた。
「コーチなんて誰でもいい。
泳ぐのは結局俺なんだし、誰かにとやかく言われる筋合いはない」
「え……?」
「別に、独り言」
それだけ言うと赤星くんは私に背中を向けてしまう。
「あ、赤星くん!!」
そんな彼の後ろ姿に私は声を掛けていた。
「あ、ありがとう」
再び沈黙が走り気まずい空気が流れ始めた。
と言っても赤星くんは特に何も気にしていなさそうだ。
準備運動の続きをする彼に私はモヤモヤとしながら観客席を見上げた。
すると、関係者席のある部分で目が留まる。
「三井先生……」
目に映ったのは真剣な目つきでこっちを見下ろす三井先生だった。
一瞬だけピクリと肩が揺れたけど、それ以上は特に何も起こらなかった。
もう大丈夫だ。
だって前の私なら三井先生を見ただけで頭の中が真っ白になってパニックを起こしていたはずだ。
だから、完全に過去を乗り越えたという事だろう。
その事が嬉しくて思わず顔が緩んでしまうが直ぐに引き締めて軽く会釈をした。
それに三井先生は驚いた様に目を見開いていたが直ぐに顔を逸らしてしまう。
「ねえ」
「は、はい?」
いきなり隣から声が聞こえてきた。
振り向けば、赤星くんが三井先生の方を見ながら私に話しかけていた。
「アンタと三井先生って知り合いなの?」
「中学校の時のコーチだけど」
「ふーん」
赤星くんは興味なさそうに言うと視線をプールへと戻していた。
「……三井先生の指導はどう?」
「どうって?」
「えっと……分かりやすい?」
「アンタ教えて貰ってたんでしょ」
「そ、そうだけど……」
言葉を濁せば赤星くんは面倒臭そうに呟いた。
「コーチなんて誰でもいい。
泳ぐのは結局俺なんだし、誰かにとやかく言われる筋合いはない」
「え……?」
「別に、独り言」
それだけ言うと赤星くんは私に背中を向けてしまう。
「あ、赤星くん!!」
そんな彼の後ろ姿に私は声を掛けていた。

