試合は高岡くんと平井くんの一騎打ちと言ってもいいだろう。
だって彼らと他の選手の間は大きく開いているのだから。
しかし、ラスト50メートルを切った途端に高岡くんに異変が生じたんだ。
いきなりスピードが落ちていく。
その間も平井くんは変わらず進んでいる訳で徐々に2人の間には距離が開いていく。
疲れが出たのか、一瞬だけそう思ったが違うみたいだ。
泳ぎ方がどこかおかしい。
僅かにだが右足を庇っている様にも見える。
怪我をしたのだろうか、大丈夫なのか。
高岡くんの事が心配になる。
今すぐ泳ぐのを止めた方がいいのかもしれない。
でも、彼は止まろうとはしなかった。
それだけ勝ちたいという想いが強いのだ。
だったら。
私は立ち上がり思いっきり息を吸い込む。
「しっかりしろ!高岡 亮太!!
あなたの泳ぎはそんなものじゃないでしょ!!」
思いっきり叫んだ。
聞こえるはずがない、そう思っていても叫ばずにはいられなかった。
「……あっ」
周りからの視線に頬が熱くなっていく。
近くにいた人たちが私の方を見てヒソヒソと話していた。
私は恥ずかしくなって俯いていれば、優しく手を引かれて座らされる。
「見てください」
「え……?」
先生は優しく笑うとプールを指さした。
つられて私も視線を向ければ、思わず目を見開いてしまう。
徐々に開いていたはずの平井くんと高岡くんの距離が見る見るうちに縮んでいく。
そして。
『やりました!高岡 亮太が見事、逆転優勝を果たしました!!』
アナウンスの言葉が耳に入らないくらい私は呆然としていた。
「えっと……」
「優勝です。高岡くんが優勝したんですよ」
先生がポンポンと私の頭を撫でながら優しく目を細めた。
「キミの声が届いたんですね」
「……よかっ……た……」
思わず涙が零れる。
高岡くんが優勝した。
それが嬉しくて、嬉しくて。
私は涙を止める事なく泣き続けた。
彼の頑張りが報われた。
優勝という最高の形で。
だって彼らと他の選手の間は大きく開いているのだから。
しかし、ラスト50メートルを切った途端に高岡くんに異変が生じたんだ。
いきなりスピードが落ちていく。
その間も平井くんは変わらず進んでいる訳で徐々に2人の間には距離が開いていく。
疲れが出たのか、一瞬だけそう思ったが違うみたいだ。
泳ぎ方がどこかおかしい。
僅かにだが右足を庇っている様にも見える。
怪我をしたのだろうか、大丈夫なのか。
高岡くんの事が心配になる。
今すぐ泳ぐのを止めた方がいいのかもしれない。
でも、彼は止まろうとはしなかった。
それだけ勝ちたいという想いが強いのだ。
だったら。
私は立ち上がり思いっきり息を吸い込む。
「しっかりしろ!高岡 亮太!!
あなたの泳ぎはそんなものじゃないでしょ!!」
思いっきり叫んだ。
聞こえるはずがない、そう思っていても叫ばずにはいられなかった。
「……あっ」
周りからの視線に頬が熱くなっていく。
近くにいた人たちが私の方を見てヒソヒソと話していた。
私は恥ずかしくなって俯いていれば、優しく手を引かれて座らされる。
「見てください」
「え……?」
先生は優しく笑うとプールを指さした。
つられて私も視線を向ければ、思わず目を見開いてしまう。
徐々に開いていたはずの平井くんと高岡くんの距離が見る見るうちに縮んでいく。
そして。
『やりました!高岡 亮太が見事、逆転優勝を果たしました!!』
アナウンスの言葉が耳に入らないくらい私は呆然としていた。
「えっと……」
「優勝です。高岡くんが優勝したんですよ」
先生がポンポンと私の頭を撫でながら優しく目を細めた。
「キミの声が届いたんですね」
「……よかっ……た……」
思わず涙が零れる。
高岡くんが優勝した。
それが嬉しくて、嬉しくて。
私は涙を止める事なく泣き続けた。
彼の頑張りが報われた。
優勝という最高の形で。

