「……負けた……か」
泳ぎ切って水面から顔を上げれば既に泳ぎ切っていた原田選手が目に映った。
一瞬だけ苦い気持ちになるが私はフッと笑顔を浮かべた。
悔しくない訳ではない。
辛くない訳ではない。
だけど私のゴールはここではないんだ。
もっともっと、速く、先へ。
何かが吹っ切れた様に私は声を出して笑った。
「高瀬……?」
「あーあ……完敗ですね」
未だ笑い続ける私を高岡くんが心配そうに見つめていた。
悔しさで頭が狂ったとでも思われているのだろうか。
でも、違うんだ。
口では上手く説明は出来ないが、今回のこの負けが、私にとって大きな1歩になる様な気がして嬉しくて嬉しくて堪らない。
私が1人で笑っていれば原田選手がストップウォッチを見ながらニッと口角を上げる。
「……フッ、吹っ切れたみたいだな」
「え……?」
小さな声が私の耳に届いた。
驚いて原田選手を見上げたが彼は素知らぬ顔で口を開いた。
「これで分かっただろ?
今のお前たちでは平井君たちには敵わないって」
「……」
悔しそうに顔を歪める高岡くんの代わりに私は笑みを返した。
「今の私たちで勝てないなら変わるだけですよ」
そう、たったそれだけの事だ。
「……じゃあ、変わって見ろ。
今度の秋大会、俺も見に行くから」
「……ええ、待っています。
私も、高岡くんも、てっぺんを取りますから」
私がそう言い切れば原田選手は鼻で笑って私たちに背を向けた。
「精々這い上がって来い」
その後ろ姿は大きくてどこか頼もしい。
泳ぎ切って水面から顔を上げれば既に泳ぎ切っていた原田選手が目に映った。
一瞬だけ苦い気持ちになるが私はフッと笑顔を浮かべた。
悔しくない訳ではない。
辛くない訳ではない。
だけど私のゴールはここではないんだ。
もっともっと、速く、先へ。
何かが吹っ切れた様に私は声を出して笑った。
「高瀬……?」
「あーあ……完敗ですね」
未だ笑い続ける私を高岡くんが心配そうに見つめていた。
悔しさで頭が狂ったとでも思われているのだろうか。
でも、違うんだ。
口では上手く説明は出来ないが、今回のこの負けが、私にとって大きな1歩になる様な気がして嬉しくて嬉しくて堪らない。
私が1人で笑っていれば原田選手がストップウォッチを見ながらニッと口角を上げる。
「……フッ、吹っ切れたみたいだな」
「え……?」
小さな声が私の耳に届いた。
驚いて原田選手を見上げたが彼は素知らぬ顔で口を開いた。
「これで分かっただろ?
今のお前たちでは平井君たちには敵わないって」
「……」
悔しそうに顔を歪める高岡くんの代わりに私は笑みを返した。
「今の私たちで勝てないなら変わるだけですよ」
そう、たったそれだけの事だ。
「……じゃあ、変わって見ろ。
今度の秋大会、俺も見に行くから」
「……ええ、待っています。
私も、高岡くんも、てっぺんを取りますから」
私がそう言い切れば原田選手は鼻で笑って私たちに背を向けた。
「精々這い上がって来い」
その後ろ姿は大きくてどこか頼もしい。

