夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「じゃあ次は真希ちゃんだね」

「……はい、よろしくお願いします」

「……いい目になってきたね。
でも……まだ足りない……まだ」


原田選手が怪しい笑みで私を見つめた。
でも、気にする事無く飛び込み台へと向かう。

こんな所で負ける訳にはいかないんだ。
喰らい付いてやる。
格好悪くたっていい。
熱くなったっていい。
今、自分が出せる力を全て出す。
パンと両手で頬を包み込むように叩いてプールの先を見つめた。


「じゃあ行きますよ、よーい」


笛の音がしたと同時にプールへと飛び込んだ。
水の中に入った瞬間、自分の体がプールと同化していくのが分かる。
泳げなくて溺れた時も、泳げる様になった時も。
ずっとこのプールが見守って来てくれた。
これからもこのプールと一緒に私は成長していくんだ。

泳ぎ続けているうちに私は今までとは何かが違う事に気が付いた。
体が軽い?
腕も足もいつもより軽やかに動く。

ひとかき
ふたかき

前に進むたびにどんどん体が軽くなっていく。
ただ純粋に泳ぐ事が楽しい。
いつまでもこのまま。
泳いでいたい。
ゆっくりと、でも確実に私の心では想いが変わっていく。