暗闇の中、私は1人考え込んでいた。

先生は私の事を心配してくれている。
過去を乗り越えたと言っても、全部が全部消えてなくなった訳ではないのだから。

泳げる様になって。
三井先生と向き合って。

少しは前に進んだ。

でも、私だけの時間が進んだって。
レナや他の女子部員の時間が進まなきゃ意味がない。

いくらジムで泳いでいるといったって、部活に入っていなければ全国なんて夢は叶えられない。
私たちの夢は終わったんだ。
もう叶う事のない夢。

皆はそれぞれ前に進んでいる。
自分の人生を歩んでいる。

だけど本当にそれでいいのか。
もう、何が何だ分からない。


でも……。
今の私には先生の夢を叶えるという目標がある。
それだけで手一杯だ。


「っ……」


そう思っても頭の中がゴチャゴチャとしてスッキリとしない。
考えるのも面倒になって私は布団を被り固く目を瞑った。