夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「着きましたよ」



見慣れた一軒家の前に車を止めた先生は優しく微笑み私を見た。



「ありがとうございます」

「少し待っていて下さい」


私がお礼を言えば、先生はエンジンを止めて車を降りてしまった。
慌てて降りようとした私を手で制して先生は後部座席から私のスポーツバッグを取る。
そして助手席の扉を開けてくれた。


「どうぞ、足元気を付けてくださいね」

「あ、ありがとうございます」


先生は私をエスコートする様に手を差し出してくれる。
その手に掴まり車から降りたが、疲れからか、足がふらついてしまう。


「おっと、大丈夫ですか?」

「……」


先生が私の体を抱きしめる様に支えてくれた。
そのお蔭で私は倒れずに済んだというのにお礼1つ言うことが出来ないでいた。
その理由は自分でも分かっていた。
すぐ目の前にある先生の顔。
心配そうに下がる眉も、大きくて優しい目も、形の良い鼻も、色っぽい唇も。
全てが私の鼓動を高鳴らせる原因だった。
試合前の緊張感と同じくらい、いや、それ以上にドキドキとしている。


「高瀬さん?」

「あ!す、すみません!!」


頬に熱が集まるのと同時に私は先生から離れようとした。
でも、それは先生によって阻止される。


「駄目です。
疲れが溜まっているみたいですからこのまま僕に掴まっていて下さい」


先生はそう言うと私の体を支えながら歩き出した。
密着する体に爆発するのではないかと思うくらい動く心臓。
先生にこのドキドキが伝わりそうだ。