「それと……高瀬 真希」
「なに?」
いきなり名指しで呼ばれた事に驚きながらも視線を平井くんに向ける。
「アンタは一応、三井先生の教え子だ。
先生と学校の名前に恥じない泳ぎをしろよ」
恥じない泳ぎ、ね。
「上等。あなたに言われるまでもない」
「ムカつく奴だ」
2人で睨みあっていればこの場の誰でもない人の声が飛んできた。
「三井先生、皆待っていますよ」
「あ?ああ赤星(あかぼし)か」
その声に反応する様に三井先生は振り返った。
私もつられてそっちに顔を向けた。
でもその瞬間、大きく目を見開いてしまう。
「あなたは……」
私の目の前にいるのは無表情な背が高い男の子。
関わった事はないがその顔には確かに見覚えがあった。
それは私がまだこの水泳部に入部する前の春大会の時だった。
高岡くんに誘われて嫌々見に来た大会。
その自由形の部門で優勝を勝ち取った選手、それがこの赤星という人だ。
最初こそ最下位争いをしていた彼はラスト半分を切った所で人が変わった様に泳ぎが良くなった。
その時の興奮を今でも忘れていない。
凄すぎて言葉にも出来なかったくらいだ。
そんな人が今私の目の前にいる。
しかも三井先生の生徒として。
私の視線に気が付いたのか、赤星という生徒がこっちを向いた。
「アンタ誰?」
「……」
赤星くんの疑問は最もだった。
知らない女に見られているのだからそう思わない訳がない。
でも、私は何も答えられなかった。
あの時の彼の泳ぎが鮮明に頭に流れて言葉が出てこない。
「なに?」
いきなり名指しで呼ばれた事に驚きながらも視線を平井くんに向ける。
「アンタは一応、三井先生の教え子だ。
先生と学校の名前に恥じない泳ぎをしろよ」
恥じない泳ぎ、ね。
「上等。あなたに言われるまでもない」
「ムカつく奴だ」
2人で睨みあっていればこの場の誰でもない人の声が飛んできた。
「三井先生、皆待っていますよ」
「あ?ああ赤星(あかぼし)か」
その声に反応する様に三井先生は振り返った。
私もつられてそっちに顔を向けた。
でもその瞬間、大きく目を見開いてしまう。
「あなたは……」
私の目の前にいるのは無表情な背が高い男の子。
関わった事はないがその顔には確かに見覚えがあった。
それは私がまだこの水泳部に入部する前の春大会の時だった。
高岡くんに誘われて嫌々見に来た大会。
その自由形の部門で優勝を勝ち取った選手、それがこの赤星という人だ。
最初こそ最下位争いをしていた彼はラスト半分を切った所で人が変わった様に泳ぎが良くなった。
その時の興奮を今でも忘れていない。
凄すぎて言葉にも出来なかったくらいだ。
そんな人が今私の目の前にいる。
しかも三井先生の生徒として。
私の視線に気が付いたのか、赤星という生徒がこっちを向いた。
「アンタ誰?」
「……」
赤星くんの疑問は最もだった。
知らない女に見られているのだからそう思わない訳がない。
でも、私は何も答えられなかった。
あの時の彼の泳ぎが鮮明に頭に流れて言葉が出てこない。

