夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「お前は俺には勝てねぇ。
それどころか高瀬があと3日練習したらテメェなんかじゃ追いつけなくなるだろうよ」


高岡くんは動じる事なく平井くんを睨み続ける。


「はっ……。
俺がアンタらに負ける訳ねぇだろーが!!」

「……勝手にほざいてろ。でもな……これが現実だ」


平井くんは怒った様に乱暴に高岡くんから手を離す。


「だったら……。
秋の大会でテメェらまとめてぶっ潰してやるよ!!」


平井くんは私と高岡くんを見ながらゲラゲラと笑う。


「バカか……」

「逃げんのかよ?」

「逃げねぇよ。
でもお前は俺が倒してやるよ。高瀬は関係ねぇ」

「は?やっぱり自信ねぇんだろ?」


平井くんは私を見ながら笑い続ける。


「ちげぇよ。
高瀬はお前なんかに構ってる時間はねぇんだよ」

「はぁ?」

「言ったろ?
コイツは俺の代わりに平泳ぎで大会に出た。
俺が復活したらコイツが平泳ぎで出る意味はねぇよ」


まあ、高岡くんの言う通り私がもう平泳ぎをする理由はない。
今回の高岡くんの怪我がなかったら私は平泳ぎをする事さえなかっただろう。
これが最初で最後の平泳ぎだ……。


「それにな、コイツと競ってる時点でお前の負けだ」

「は!?」


平井くんは怒った様に高岡くんを睨んでいた。
って言うか、高岡くん今さりげなく私を馬鹿にした?
少しムカつき私も平井くんと一緒に高岡くんを睨む。
そんな私の心を見透かしたかの様に高岡くんはニヤッと口角を上げる。


「平泳ぎの素人に背中を捉えられる様なヘマ俺なら絶対にしねぇよ」


む、ムカつく、胸にその気持ちが広がる。
けど、高岡くんには敵わない。


「はいはい。
うちのエース様と張り合おうなんて滅相もございませんよ」

「おい高瀬……馬鹿にしてんのか!?」

「してないしてない」


さっきまでの凍った空気は嘘の様におちゃらけたムードになっていた。


「……おい……。俺を無視してんじゃねぇ」


あっ、平井くんの存在をすっかり忘れてた。
それは高岡くんも同じだったみたいだ。


「あ?まだいたのか?」

「……クソが。秋の大会でプライドをへし折ってやる」

「こっちの台詞だ」


高岡くんと平井くんの間にバチバチと輝く火花が見える様な気がする。