夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「……先生って本当に優しいな……」


私は1人でベンチに座りながら呟く。
先生はジュースを買いに行ってくれている為、私は先生の帰りを待っている。
泣きじゃくった私に気を遣って飲み物を買いに行ってくれたんだ。


「……銅メダル……」


私の手の中にあるメダル。
さっきまではこのメダルを見るのが辛かった。
だけど先生のお蔭で今はこのメダルが誇らしい。


「高瀬」


後ろから誰かに呼ばれ、不思議に思いながらも振り向いた。
その途端にドクンと胸が高鳴る。


「あっ……」


開いた口が塞がらない。
嫌な汗が背中をつたるのが分かる。


「久しぶりだな」


目の前に立つ男の人は私を見ながら厭らしい笑みを浮かべている。
その姿はあの時と何ひとつ変わっていなかった。


「み……三井先生……」


自分でも驚くくらい小さな声。
今、私の前にいるのは私が水泳を嫌いになったきっかけの人だった。