夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「高岡!ペース早いぞ!!」

「大丈夫っす!!」


部活の時間になった瞬間、高岡くんの目は真剣な物へと変わった。
そしていつも以上に凄い泳ぎを披露している。


「高岡くん……やっぱり凄いな……」


彼の泳ぎに見惚れていればフワッと頭に何かが被さった。
その瞬間何も見えなくなる。


「うわぁ!?」

「何を見惚れているんですか?」


上から少し拗ねた様な声が降ってくる。


「先生!」


頭の上に手を伸ばし視界を遮っている物を掴む。
広がった視界には先生が映った。


「タオル返して下さい」


拗ねた声で私の持つタオルを回収した先生。


「何で拗ねてるんですか?」

「キミが高岡くんばかり見るからです」


冗談で言ったつもりだった。
でも先生が返した言葉は想定外のモノだった。


「へ?
それは泳ぎを見てただけで……」


混乱した私はしどろもどろの口調で伝える。
ドキドキと揺れ動く鼓動。
少し苦しいけど、嫌なものではない。


「……それでも駄目です」

「え?」


思わず聞き返してしまう。
小さい声だったから聞こえていないと思ったのか、先生は慌てた様に話をすり替える。


「高岡くん、凄く張り切っていますね」

「え……あーはい。2人で約束しましたから」

「約束……?」

「今度の大会で優勝するって!」


高岡くんを見ながらゆっくりと目を細めた。
彼の泳ぎは本当に、私に勇気をくれる。


「だから、私も頑張らないと!」


ニッと笑顔を浮かべて先生の方を向く。