「おい!高瀬!」

「んっ……」


目を開ければ高岡くんの顔がドアップで映った。


「きゃっ!?」

「うぉ!?なんだよ!?」


私が勢いよく起き上がったからか高岡くんは驚いた様に私を見ていた。


「ごめん……ビックリして……」

「別にいいけどよ」

「あれ?何で高岡くんしかいないの?」


周りを見渡せば、さっきまで騒がしかった教室はどこにもなかった。
私と高岡くんしかいない。
何で授業は?そう思いながら首を傾げれば私の心を読んだ様に言葉を放った。


「ばーか!皆もう帰ったよ!」

「えー!?」


時計を見ればもうすぐ4時になる時間だった。
確か昼休みに由梨と喋って、それから……。
寝ちゃったんだ。
思い出した私は、タメ息を吐きながら頭を抱えた。
授業を寝て過ごすなんて最悪だ。

わざとらしくタメ息をつく高岡くん。
そしてバンッと私の机を叩いた。


「何!?」

「何じゃねぇよ!!
部活だよ!さっさと行くぞ!早く準備しろ!!」


せかす様に机を叩き続ける高岡くんにタメ息を吐きながら今日科書を鞄にしまう。


「ねぇ……どこ行くの?」

「部活に決まってんだろ?」


教室を出た私たち。
状況が把握できていない私の腕を掴みながらスタスタと歩く高岡くん。

学校にこんな所があったんだ。
入った事も無い建物に辺りを見渡す。