夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~

「さっぱりした……」


タオルで髪を拭きながらプールへと戻る。
制服もきちんと着たし、教室に行っても大丈夫だ。


「お待たせ……って……あれ……?」


そこには高岡くんはいなかった。
何処にいるのだろうか。
周りに目を配らせていれば平泳ぎのプールに彼はいた。


「あっ……」


彼はひたすら泳いでいた。
多分、何も考えていないと思う。
無心で、泳ぐ事が好き、それが痛いくらいに伝わってくる。

1メートル、2メートル。
彼が泳げば、水飛沫が飛び散ってキラキラと輝いていた。

その中心にいる彼はとても綺麗で。
胸が熱くなっていく。


「高岡くん……凄い……」


油断すれば泣いてしまいそうになる。
それくらい彼の泳ぎは凄かった。

私もいつか。
あんな風に泳げるだろうか。
誰かの胸を熱くさせる様な泳ぎを。


「ぷはっ!!」


高岡くんが水から上がり息を整えている。
それにそっと近寄りタオルを差し出した。


「お疲れ」

「おお!サンキュウ!」

「……格好良かった」

「……は!?」


口から出た言葉。
意識した訳でない。自然に出た言葉は私の本心だった。
心底驚いている高岡くんに目もくれず私はプールに視線をやった。


「本当に水泳が好きなんだね」

「……それはお前だって同じだろ?」

「私は……」


私は水泳が好き。
本当にそう言っていいのかな?

純粋に泳ぐ事が好きだった中学時代までと今では。
やっぱり何かが違う気がする。