「んっ…ん…いぶ…きっ…」


甘い声を漏らす女。


でも俺は、そんなことお構いなしにキスを続ける。



「あ……」




聞き覚えのある、透き通った声。


思わずその方向を向いてしまう。



その声の主は、



朝助けた…そう。





美依子ちゃんだった。



美依子ちゃんは、傷付いたような泣きそうな顔をして俺を見た。



あ、そうか。


また俺は、罪なことをやっちまったんだ。





「俺はやめた方がいいと思うよ」





助けた彼女も、また。




…俺が傷付けた、一人だ。





**.伊吹side.end**