「達也、着いたぞ」

声をかけるが起きない。

子どもたちに手を引かれ後ろの席に座った達也。

達也の膝に頭を乗せて寝ている陸斗
達也に肩を抱かれて寝ている凪


写真に収めたい、笑


そんな事を思った。

起こすの勿体ない。


でも、達也の家って…

だからずっと停めておくのはマズイ。


亜子に電話をした。


「あ、サエちゃん?」

すぐ出た。

「達也送りに来た。出てこい」


それだけ言って切る。


トントン


車の窓を叩く音。


「亜子、ごめん」

「お気になさらず!」


後ろのドアを開ける。

「おーい、兄ちゃん、お家ですよ〜」


達也の耳元で囁く亜子。

パチリ!

目を開ける達也。


「早く言えよ」


は?
何回も起こしましたよ?
(イイエ、1回です)


「サエちゃん、上がってきな」

「は?」

亜子、お前は何言ってんだ?


「良いから、良いから!」


強引に4人(あたし、達也、陸斗、凪)は車の外に出された。


眠くて歩くことが出来ていない陸斗と凪は達也に抱っこを求めていた。

二人同時には無理でしょ〜なんて思ってたら
軽々とやりやがった。


チクショウめ!

と心の中で言った。