しかし

達也は姿を現さない。


「お兄ちゃん
会いたいガキがいるって言ってたけど
サエコちゃんの子の事?」


「そんなの知らん」


「冷たいな〜もぅー」


可愛くねぇよ

なんて思いながら

亜子大人になったな〜

なんて親目線。


「ママ〜
オジサン来た!!」

いつの間にか走って来ていた。

何でそんなに目が輝いているの?

凪ちゃん……


「オジサン来たよ、オジサンー!」


オジサンオジサン言われて

達也もお疲れ様…

同じ23歳なのにね。


「よっ」

長身の男が立っていた。

会う時はいつも

スーツだけど

私服は高校生振りで

なんか戻った気分。


なんか達也って

芸能人で言ったら

市〇隼人さんと今〇隆二さんを

足した感じ。


まぁ彫りが深いという事

まぁカッコイイ(←大声では言いたくない)という事


子ども達はクラスに戻り

帰りの会を行うそうなので

戻って行った。


グランドは親だらけで

何故かあたし達のところは

視線が凄い。


達也と亜子がいたらそうなるよね。


(イヤイヤ、あなたの事見てるんです)周囲の親。


待ってる間に他愛もない話をした。

秋羅と渉ちゃんの事。
→来年結婚するとか…

奈緒とかみちゃんの事。
→かみちゃんはもう1人欲しいらしい…

亜子が高校生になった事
→郷騎第一高校に在学中だとか…

周りの状況が

あたしにとっては

大きく変わりすぎて


自分が

成長していないようにも思えた。


徹の事を

忘れられな過ぎて

まだまだ殻に閉じこもってる気がした。