「園長!
これで分かったでしょ?
誰が犯人か」
「あぁ。
確かにあの人、顔は嘘つけないからな」
---サー
っとドアを開けて入ってきたのは
「お!夫人と歌!」
夫人とは園長の奥さんです。
お茶を用意してくれたみたいで
あたしの好きなお菓子がたーくさん!!
「ありがとう〜♪」
「あなた…」
真剣な顔で夫人が話し始めた。
「やっぱり
橘さんを父母会代表からどいてもらいましょうよ」
と切り出したのだ。
「母さん?それ本気?」
歌も海も驚きを隠せない様子だ。
「本気よ!
確かにあの家からの幼稚園への寄付金は多いわよ。
でも、経営に口を挟むようになったのが許せないわ。
園児がいるから私達が食べていけてるのは分かってるわよ?
でもそろそろ、ねぇ?
来年の春で子どもは卒園だってのに、
居座る気がしちゃって……」
夫人、そんな事考えてたんだ……


