なんか

あたしたちは気まづくなった。


どちらとも

口を開かず

グラスが空になるまで

飲み続けて

達也が口を開いた。




「翠幼稚園の前で

俺達会ってるよな?」


ドキッとした。

本当に 本当に

あの男は達也だった事を

このセリフが肯定した。


「やっぱそうだったんだ」


バルコニーからは

別にいい景色が見えるわけではないけど

達也を見ないで答えた。