けれど、俺には何かに怯え、震えて今にも泣きそうなのを必死で我慢しているようにみえた。

このコは多分俺と同じだ…

あの気持ちを知っている。

だから怖いんだ…

「お前、こんなとこでなにしてんの?泣きたいなら、我慢してないでちゃんと泣け?」

あーあ。何言ってんだ俺。

初対面で、んな事言ったら怪しさ全開じゃねーか。

そんな俺の第一声を聞いてゆっくりとこちらを見た少女の目は恐ろしい程綺麗で吸い込まれそうだった。

日本では珍しい、少しブルーがかった目。


そこからは全く感情が読めない。


いや、本当に感情なんてものはなかったのかもしれない。


ただ、"自分以外に自分を守ることは出来ない"そんな強い目だった。