捨て猫とか放っておけない、ああいうタイプだ。


ま、取り敢えず今日はこのまま近道して帰ろう。

俺が通っている大学はうちの最寄り駅から電車で30分くらいだ。

駅から家までは徒歩15分程だが、騒がしいネオン街のほとんど人通りのない細い路地を抜けて、小さな公園を突っ切れば5分くらい短縮出来る。

今日は別に急いでるわけじゃない。


ただなんとなくあの騒がしさや独特の雰囲気を感じたい気分だった。


「そーいえば、ここ通るの久しぶりだな…」

そう思いながら、あの路地に入るために道を曲がった

「…ん?」

そこで、俺は見つけてしまった。

そこにいた少女は、はたから見れば路地に座り込み、建物の外壁に寄りかかって足を投げ出し、ただ呆然と空を見上げていて「何だかおかしな子」に見えていたと思う。