有馬くんの口調から、苛立ちにも似たような感情が伝わってくる。
「でも……!」
「あーもう、しつこいな。じゃあ、たった今しんどくなった。これでいいでしょ?」
ひどく、冷めたような声だった。
棒読みの言葉。面倒くさそうな視線。
たげと、悲しみに満ち溢れている瞳。
ああ、もう……。そんな姿を見せられたら、あたしの心はズタズタだ。
どうしたって、棗先輩には敵わないってことを思い知らされる。
こんな風に気まずくなりたいんじゃないのにな……。
でも、有馬くんだってきっと、今、こんな気持ちなんだよね。
好きな人とうまくいかなくて、言い合いになってしまって……。
そんなときに、あたしは有馬くんを独りにさせたくない。
だから……。
「わかった。じゃあ、あたしが責任持って、有馬くんを保健室に送る」
「は?」
有馬くんの嘘を利用して、有馬くんのそばにいてやる……!


