――コロコロー。 転がっていくボールを眺めがら、 「あんた、本当に経験者?」 先ほどのシュートは幻覚なのでは?とでも言いた気な顔で、有馬くんは、今度はあたしを横目で見てくる。 ……経験者ですとも……! あなたのほんの些細な言葉が、全部あたしの胸を刺激するんですって。 そんなこと、言えるわけもなく。 あたしと有馬くんは、今日から昼休みの時間も共有するようになった。