「えっ、もう? まじで? って、どこ行くんだよ葉山!」



「冊子を先生に渡してくるのー」



席から立ち上がって教室を出ようとするあたしを呼び止めた石原くん。


だけどあたしは、また何か言われる前に足早に教室をあとした。


ちゃっかり片手には、お昼ご飯のお弁当を持って。



なぜなら、梓は今日から、お昼ご飯を持ち込んで美術室で展覧会の絵を集中して描きたいらしい。


他の部員の子達はもう仕上げに取りかかってるのに、自分だけ出遅れてるそうだ。


だから、梓がいない今、あたしはぼっち弁当になってしまうために、どこかいいランチ場所を探していた。