「それはとんだ災難だったね……」 励ましの言葉をかけてみるが、有馬くんは気にもとめずに立ち上がり、制服の汚れをパッパッとはらう。 そしてもう一度あたしに視線を向けると、ジーッと見てきた。 「あんた……」 「?」 「……誰?」 「えっ」 う、嘘でしょ。 「同じクラスの葉山ですが……」 「あー、なるほど。どおりで見たことあると思った」 同じクラスなのに、名前も覚えてもらえてなかったんだ……。 顔も見たことある程度かい。 皆勤賞で1度も学校休んだことないのになぁ……。