放課後。
筆記用具を持って、あたしは冊子作りのために資料室へと向かった。
廊下を歩いていると、ふと目に映る見覚えのある人物。
背が高いから、イヤでも目に入ってしまう。
……有馬くん。
カバンを持っているから、そのまま帰るのだろうか?
……話したいなぁ、なんて。
せめて、バイバイだけでも言いたい。
そんなことを思いながら、有馬くんの後ろ姿を見つめていると、そこにある人が近づいていく。
あ……棗先輩だ。
先輩に話しかけられた有馬くんの優しい笑みが、ここから横顔として垣間見える。
ズキッ。
まただ。
また、胸が苦しくなる。
持っていた筆箱や冊子をギュッと抱きしめ、あたしはすぐにその場から逃げるように、来た道を引き返した。


