「……有馬くん、どうしたの?」
心配になったあたしは、思い切って彼に尋ねた。
トクトクと聞こえる有馬くんの心臓の音は、いつもより2割り増しは早く感じる。
ちょっとだけかたくなってる体から、緊張してるってことが伝わってきた。
「どうもしないよ。ただ、あんたに話したいことがあって……」
「うん、何?」
相当、大事な話なんだろう。
いつもの有馬くんの冷静さを感じる雰囲気が、今は感じられなかったから。
「あのさ……あんた前に、俺に、ずっとそばにいるって約束したの覚えてる?」
……えっ?
思わぬ言葉に、驚いてあたしもかたまってしまった。
けれどしっかりと聞こえた言葉に、あたしはゆっくりと頷く。
「……覚えてるよ」
今でも鮮明に思い出せる。
まだ2人が高校生のとき。
創立祭で有馬くんのことを諦めたくないと強く思った日。
有馬くんはあたしを信頼してないって言ったから、ずっとそばにいるって、あたしはそう約束をした。


