「ねえ、美月」
ふいに、いつもより真面目な声で、有馬くんがあたしの名前を呼んだ。
その瞳は、いつもと違って熱を帯びているように見えた。
「ちょっと、こっち来て」
……声が、震えてる?
なんたが様子がおかしくて、あたしはソファーから立ち上がり、有馬くんのもとへと近づく。
すると彼は、そっと手を広げてあたしを求めた。
「おいで」
「え……?」
お、おいでって……ここ、研究室なのに……。
でも……。
少しの躊躇いはあったが、有馬くんがいつもと様子が違うのが気になったあたしは、素直に従ってその腕の中に飛び込んだ。
瞬間、有馬くんの温もりに包まれる。


