「あと画材片付けるだけだから、ちょっと待ってて。俺もノート運ぶ」
「えっ!?」
有馬くんはそう言うと、すみやかに画材を片付け始めてしまった。
だけど……。
「ダメだよ!これはあたしの仕事だし……!」
それに、有馬くんの負担が増えてしまう。
あたし、なんだか有馬くんの絵を描く邪魔しかしてない気がするんだけど……!
仕事を押し付けるために、ここに来たんじゃないのに!
「あのさぁ……」
すると有馬くんから、ダルそうな声がこぼれ落ちた。
なにを言われるかとビクビク構えてしまう。
「あんた、頑張りすぎなんじゃない?」
「えっ?」
思わぬ言葉に、ポカンとしてしまった。
「たまには誰かを頼っていいと思うよ。
じゃないと、いつか疲れて死んじゃうから」
いや、そう簡単に死にはしないと思うけど……。
大げさな表現と、咎める口調の中に含まれる優しさに、少しだけ胸が高鳴ったのを感じる。


