……でも……。
「有馬くん、今はやめておこう」
「なんで?」
スッと迫り来るように、あたしに顔を近づける有馬くん。
視線の先は……首筋だ。
「なんでって、ここ、学校だし……」
「俺ら以外、誰もいないけど?」
「でも、ダメ……」
「どうしてもダメ、ガオ?」
……くっ。 出た。
オオカミ化して、甘える攻撃。
「オオカミのマネしても……ダメです」
「ホントにダメ?」
「…………」
心臓が、バックバクと騒がしい。
今日の有馬くんは、なんか、いつも以上にズルい気がした。
「美月」
甘さを多量に含んだ声で呼ばれ、思考が麻痺しそうになる。
「……ダメ?」
熱い吐息が首筋にかかり、あたしはその熱に浮かされ……負けた。
「……ダメじゃない、です……」
そう言うと、有馬くんはかすかに微笑んでから顔を近づけ首筋に吸いついた。


