【完】俺のこと、好きでしょ?




ふと、視界に映った有馬くんのキャンバスに目がいく。


こないだ描いてた風景画とは違う絵。


どことなく、人の横顔のように見えた。



「もしかして、それ人物画?」


「……え?」



あたしの視線の先を辿った有馬くんは、自分のキャンバスを見て、少し眉を潜めた。



「……違うけど」



あれ? 少し不機嫌になった?


声のトーンが変わった気がして、ハッとする。


また勝手に絵を見たから怒った……!?



だけどあたしの予想は、どうやらちがったみたい。



「これ、失敗作だし」



そう言って、キャンバスにがさつにカバーの布をかける有馬くん。


どこか投げやりな動作に、違和感を覚える。



失敗作にしては、丁寧に色を塗ってたように見えたけどな……。