研究室には小さなキッチンがあって、ここでアルバイトをさせてもらったときに何度かお茶も入れさせてもらったことがあるから、カップの場所も把握済みだ。
2人分のお茶とフォークを手に持って戻ると、有馬くんはソファーに座って待っていた。
「はい、どうぞ」
「ん。ありがと」
ウキウキとしているのがわかるくらい、有馬くんはフルーツタルトの箱を見ている。
……こういうとこ、全然変わらなくて、可愛いなぁ。
あたしが箱を開けると、2つのフルーツタルトが姿を現した。
それを取り出すと、有馬くんがぼんやりと自分の手を見つめてつぶやいた。
「ねえ」
「ん?」
「タルト、食べさせて」
…………っ!?


